震災被害と格差など②

震災における被害状況と各自治体のデータについていくつか。続き
これまでにTwitterFacebookで公開してきたもの。


この記事が元にしているFacebookのノートはこちら
http://www.facebook.com/note.php?note_id=149073835174911


まず、被害の概要を確認しておく。
(東北3県の被害概要・・・画像①)




次に人的被害と財政・所得に関するデータをプロットしたもの。
勿論影響関係は複雑なので、そのまま因果関係というわけではないけれど、財政指数は街のインフラなど、平均所得は家の質に関わる。
また、少なくとも、被災地域がどういう地域だったかという点は感じてもらえるかと思う。


人的被害と財政指数の関係
(画像②)






「福島の双葉地方(原発立地地域)」の自治体が財政指数が高く、人的被害が少ないクラスタを形成している。
一方、左下は、財政指数が悪いが人的被害が少ない自治クラスタであるが、これはすべて「岩手県北部」の自治体であった。

またそれ以外の自治体の間には、右肩下がりのデータプロットとなっていることが分かる。

例外的な点として表れているのは女川町である。
女川町は、原発自治体であり、財政指数が良いにも関わらず、大きな人的被害を受けている。
しかし、女川町が福島の原発立地地域と異なる社会構造を持つことは次のFigureで示唆される。



次に、平均所得と人的被害のプロットすると画像③になる。

平均所得と人的被害
(画像③)


このFigureでまず言及すべきてんは、女川町の平均所得の低さであろう。
福島の原発立地地域に比べて、女川町の平均所得はおよそ半分程度(約220万)である。

しかし、この図においては、福島双葉地方の高い平均所得が図の理解を妨げていると考えられる。
プロットが密集している左半分は、実際には平均所得で100万程度の開きがあり、その中で格差が生じている。



最後におそらく地理関係がぴんと来ない方もいるかと思われるので、地図上で色分けした図も提示しておく。


(岩手北部を除き)色の濃い場所が一致することが分かるかと思う。
(被害の大きいところと所得の低いところが一致する)
また、波の高さについては、必ずしも波の高さと被害が比例しないところもあったりする。
(相関を見るならば、例えば浸水面積と被害に相関はない。しかし、浸水面積における人口割合と被害の間には高い相関が認められるなど、、単純な面積や高さよりもその住環境や集落の状況を考える必要がある)